世界の美術史に残るビッグアーティストの作品が、常設展示でいつでも見学することが出来た。さすが「芸術の都パリ」である。6年間の大改造工事が終えて近代的な建物に生まれ変わって、2006年5月に再開したオランジュリー美術館。ここには印象派からエコール・ド・パリまでフランス近代絵画の秀作が集まっている。
ルーブル、オルセー、プチ・パレの世界を代表する美術館に囲まれたチュイルリー公園の南西端にオランジュリー美術館はあった。足は歩き疲れてパンパンに張っていた。しかし館内に入ってすぐの所に「睡蓮」の大作を目にした時は大いに興奮した。天窓から柔らかな自然の光が降り注ぐ大きな部屋に、楕円形の壁全面に高さ2m、8点から構成される連作は感動であった。中央の椅子に腰かけて360度見渡していると、そこはあたかも睡蓮の浮かぶ池にいるような気分にさせてくれる。私にとって至福のひと時であった。
その他には画商ポール・キョームと実業家ジャン・ワルターの私蔵コレクション144点が展示されている。ルノワール、セザンヌ、マティス、ルソー、ローランサン、ユトリロのほか、外国人画家ピカソ、モディリアーニ、スーチンらの作品を間近に見られる贅沢な展示は、とても日本では味わえないものであった。
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