「オペラ座の怪人」の公演を大阪四季劇場で昨年鑑賞した。これは娘から私達両親への招待であった。嬉しかった。本当に嬉しかった。この物語はオペラ座の地下に住み、劇場関係者から恐れられている怪人と、コーラスガールのラブ・ロマンスである。
地下鉄を上がると晴天のパリの空に、重厚で芸術性豊かな建物が眩しく輝いていた。夢にまで見たパリ・オペラ座である。これはナポレオン3世統治下の第2帝政時代、セーヌ県知事オスマンによるパリ改造計画の一環で建設。この建物は171の公募作の設計のなかより選ばれたシャルル・ガルニエの作で、14年間を費やして1875年に完成している。
幅125m、奥行73m、総面積約1万1000uで劇場としては世界最大級のもの。バロック様式や古典様式を巧みに取り入れた馬蹄形の劇場は、赤と金を基調とした6層構造になっている。天井を見上げると鮮やかな色使いのマーク・シャガール作「夢の花束」と、約8トンもあるシャンゼリアが見事に調和していた。そして場外には一面に金箔を貼った壁と、シャンゼリアが煌めくグラン・ホワイエ(大広間)。ここはまるでベルサイユ宮殿の「鏡の間」を思わせる絢爛豪華な見事なものであった。
|