「私はルーブルよりもオルセーの方が良かった」とは美術に造詣の深い後輩の言葉である。それゆえに是非オルセー美術館には見学したいと思っていた。ルーブル美術館を出てセーヌ川を渡ると斜め右にオルセー美術館はあった。
ここはオルレアン鉄道の終着駅として、1900年に建てられて駅舎の建物をそのまま再利用したもの。そして美術館としてスタートしたのは僅か22年間の1986年からのこと。このオルセーにはルーブル所蔵作品以降の、1848年から1914年までの美術品を中心に収蔵されている。
その時代は折しもモネ、ルノワール、ゴッホ、セザンヌらの印象派画家たちの華やかなりし時代であった。これらのビッグネームゆえに私の後輩も、親しみを持ったのであろうと想像した。
作品には学生時代に見た美術の教科書で見たものもあった。ミレーの「晩鐘」「落ち穂拾い」、ルノワールの「ムーラン・ドゥ・ラ・ギャレット」「ピアノを弾く娘たち」、モネの「睡蓮」「日傘の女」、マネの「笛を吹く少年」、ドガの「青い踊り子たち」等々。この日はピカソの特別展も開催されており、ひと際見学者がその一角に集中していた。更にロダンの「地獄の門」やクローデルの彫刻もあり、ジャンヌも多彩で見ごたえのある展示であった。
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