◆ルーヴル美術館

 妻への約束を果たすことが出来た。芸術の都パリ。その中でもルーヴル美術館への見学は、人生一度は必ず訪問したい場所であった。若き日より美術に志し主に水彩画を描き続けてきた妻に、これまでの感謝の気持ちを込めてルーヴルへの見学は長年の夢であった。

  30万点を超えるコレクションは、名実ともに世界最大級の国立美術館である。そのうちメソポタミア文明や古代エジプト時代の骨董美術品、13〜19世紀のヨーロッパ絵画など常時2万6000点を展示しており、来館者は年間580万人を数えている。

 ルーヴルの建物は13世紀にフィリップ2世によって築かれた城塞であった。その後16世紀に王の居城としての宮殿が築かれていく。ナポレオン1世の時には敵国から収奪した戦利品を収めて美術館の基礎を築く。その後も所蔵品は補充され続け、最終的にはナポレオン3世によってほぼ今日の姿にまとめられた。 これまで学生時代に美術の教科書に出てきた作品が、目の前で実物を見ることができるのだ。レオナルド・ダ・ヴィンチ作「モナ・リザ」をはじめ、民衆を導く自由の女神、グランド・オダリスク、カナの婚礼、サモトラケのニケ、ミロのヴィーナス等々。

 その中でもこれまで「ルーヴル美術展」「大ナポレオン展」が日本で公開され、親しみのある作品もいくつかあった。特に感動したのはジャック=ルイ・ダヴィッド作の「ナポレオン1世の戴冠式」であった。629×926cmとルーヴル美術館でも最大級の大きさとなる本作は、1804年12月2日に行なわれたナポレオンの戴冠式を描いたもの。

 驚いたことにフラッシュを使わなければ撮影は自由であった。興奮を抑えつつ次から次へとシャッターを切った。

撮影2009年冬