首から銃を下げいつでも発砲できる態勢で、指は引き金を押さえていた。空港内を3〜4人が固まってパトロール。彼等は警察ではなく軍隊なのだ。その横をすれ違うとむき出しの銃で、もしや誤射でもされないかと一瞬不安を覚えた。ここは日本でなくフランスなのだ。
あまりにも日本の空港と比較にならないほど、そのスペースと規模の大きさに驚かされた。パリ市内より北東約25kmの近郊にあるフランスの空の玄関口、シャルル・ド・ゴール空港のロビーでのこと。世はまさに航空機時代である。
空港は人の別れの場所になる所でもある。フランス人は人前であっても自然な感情をそのままキスで表現する。こうした光景は滞在中何度も見かけた。特に空港では別れの辛さ寂しさから、全く人目をはばからずチュチュと音を立ててやっている。日本人にとって初めはいやらしさを感じたが、見慣れてくると美しく見えてくるから不思議だ。
関西国際空港から12時間のフライトでパリに着いた。そして国内便に乗り換えてニースに行くのだが、手荷物、身体チェックが大層であった。ポケットに入っている物をすべて出し、ベルトも外され、最後は靴まで脱がされての検査。私だけかと思いきや前後の女性も全く同じであった。セキュリティーがしっかりしている分安心ではあるのだが。
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