小高い森の中へ入って行くと、まるで大きなエリンギのような形をした岩に出会った。これは正式には「傘石」と呼ばれており、岐阜県恵那峡の近辺にある奇岩で日本の史跡名勝天然記念物である。見るからに傘の形をしていることから名付けられたようである。しかし私の眼には傘というより、鍋料理に出てくるキノコのエリンギのように映った。
この岩は黒雲母花崗岩からなりもともとは円筒形であった。しかし長い年月をかけて雨水の侵食、そして風化によって柔らかい部分が括れ、このように形成されたものである。高さ約4.5m、頭部の周囲は10m、下部の最も細い部分は2.3mという、巨大なエリンギとも傘を開いたようにも見える珍しい岩である。
こうした岩の侵食により全国各地でも、様々な姿に似ていることから親しみを持って見られているものもある。例えば烏帽子岩、人形岩、亀岩、象岩、ライオン岩、牡丹岩、桃太郎岩、人形岩など。島の形で有名なのが日本三景の一つ「松島湾」の観光船から見る風景ではないだろうか。おいらん島、仁王島、千貫島などガイドさんの説明を思い出す。
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