◆東京富士美術館

 発展著しい東京・八王子周辺。自然が残る緑豊かな丘陵地に「東京富士美術館」はあった。「世界を語る美術館」としてこの5月には新館が増設され、益々文化・芸術の交流並びに発信拠点として世界中から大きな注目を浴びている。創立は1983(昭和58)年。

 ここには様々なジャンルの作品約3万点が収蔵されており、総合美術館としての役割を果たしている。常設展示には西洋絵画ルノアールの作品をはじめ、500年の潮流が一望できる。更に彫刻や写真の展示も充実している。

 私が訪ねた時には幸運にも「大三国志展」が開催されていた。若き日に吉川英治の「三国志」を読んだことがある。悪戦苦闘しながらも全10巻を貪るように一気に読み切ったことを覚えている。目の前に展示された200点の作品から、まざまざと中国大陸1800年前の歴史ロマンが甦ってくるように思えた。時間に余裕があったので美術館内の展示作品を隈無く見学させて頂いた。それは私にとって至福のひと時でもあった。

 中国では「第29回オリンピック北京大会」が、本年8月8日より24日までの17日間に渡って開催される。度重なる戦争と戦いの歴史であった中国も、今世界の平和の象徴・スポーツの祭典オリンピックが開催となったのである。嬉しい限りである。

 東京富士美術館を感動の思いを胸に外へ出てみると、目の前には創価大学の正門があった。「教育と文化」の面から、ここは素晴らしい文教地区なのである。

撮影2008年夏