水槽に手を入れると気持ち悪いほどたくさんの小魚が寄って来て、私の皮膚を嘗めるように啄んできた。その数は50を超えているだろう。この魚は西アジアから中東の河川や池に生息する淡水魚で「ガラ・ルファ」と呼ばれ、肌を奇麗にしてくれることから「ドクターフィッシュ」あるいは「魚のエステシャン」などと呼ばれている。私にとっても初めての不思議な体験となった。
水族館内には生きた化石と呼ばれる「シーラカンス」や「オウム貝」などの貴重な生物も展示されている。また南極海に生息する可愛い「クリオネ」なども見ることができる。
さらに志摩ならではの海女の餌付けは興味を引くものであった。大型の魚2500尾が群泳する回遊水槽に、白い磯着姿の海女がタイやブリなどに餌を与える様子は圧巻であった。またアマゾンの人喰い魚ピラニアや目が四つのヨツメウオ・ヘラチョウザメなどの淡水魚も興味を持った。
そして何よりも志摩マリンランドの一番の人気は「マンボウ」ではないだろうか。大きな魚が半分に切られて頭の方だけで泳いでいるように見える。それは気持ち悪い変形の魚であるのだが、何とも可愛らしい口元と目をしている。それが人間の心を引く魅力なのかも知れない。
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