◆瀬戸内しまなみ海道

 人間の力は偉大である。太古の昔からの夢は今現実となって叶い、私の目の前に力強い姿を見せてくれている。本州と四国は海で隔てられ、これまで大きな地理的ハンディーを持っていた。しかし近年になって橋が開通。それも3本の巨大で気の遠くなるような距離を完成させてしまったのだ。これにより全ての生活環境は一変し、更なる希望の明日が開けてきたと信じている。

 瀬戸内三橋時代で本州と四国を最初に繋げたのは、1988(昭和63)年に完成した岡山県児島と香川県坂出ルートの「瀬戸大橋」。次いで1998(平成10)年には世界一の長大橋である明石海峡大橋の完成で、兵庫県神戸と徳島県鳴戸ルートの「神戸淡路鳴戸自動車道」。そして最後に1999(平成11)年に完成した広島県尾道と愛媛県今治ルートの「西瀬戸自動車道」。

 この西瀬戸自動車道(愛称:瀬戸内しまなみ海道)を走るのはこれで2回目であった。いずれも今治から尾道に抜けるコースで延長59.4km。時速60kmで走ると一時間で通過してしまう距離である。四国側より大島をはじめ、芸余諸島の島々から、伯方島、大三島、生口島、因島、向島等に10橋が架かっている。いずれも美しい橋である。

 驚いたことにこのルートの橋は、新尾道大橋を除く全ての橋に自転車歩行者道が併設されていることだ。つまり海の上をサイクリングでもよし、歩いてでも渡ることが出来るのだ。瀬戸内海の大自然の風をいっぱい身体で受け、潮の香りを感じつつ、瀬戸内の美しい青空を写し出す広い海、そして遠くに霞む島々の美しいコントラストを、目に焼け付けたいと思った。

撮影2007年夏