◆食文化に貢献

 今一番食べたいものは何?と聞かれると決まって「オムライス」と答えた。私が小学生の頃だから、今から50年も前のことになる。日本の平均的家庭であっても食事情も悪く、満足な料理を味わうことは出来なかった。子供にとって卵料理は最高の贅沢料理であったように思う。その頃の卵の値段は一個20円。今も同じ値段で売られているから不思議である。

 日本の国は今や、世界トップレベルの先進国にまで成長したものの、食料面で自給自足が出来ない国となっている。戦国時代では兵糧攻めという兵法があった。それは食料の補給を絶つ作戦だ。日本がこれから生き延びていく道は、世界の国との友好の上に成り立っていく以外にない。永久に平和・友好の絆を、守り続けなければならない宿命にあるように思う。

 日本食研鰍フ本社は愛媛県今治市の海岸沿いにあった。それは目が覚めるような、まるでヨーロッパの宮殿を思わす豪華な建物であった。オーストリアの首都ウィーン旧市街にある、トルコ軍を破った英雄オイゲン公が18世紀初頭に建てた「ベルベデーレ宮殿」をモチーフとしている。ここには世界食文化博物館、日本食研歴史館、日本食研商品展示館、世界ハムソーセージ博物館などが展示されている。特に「晩餐館焼肉のたれ」の商品では、生産量で日本のトップメーカーの一つとして知られている。

 私もユニークなテレビCMを思い出す。更には社会貢献に寄与している内容を、紹介したテレビを見たこともある。この建物を見て社長自身の大きなロマンが叶ったように思えた。

撮影2007年夏