幾つもの島々が海の中にポッカリと浮かんでいた。大小様々な形をして。よく見ると海岸線に集落が見える。ここでも逞しく人間が生きているのだ。このような長閑な風景を見ていると、自然とメロディーが口ずさまれてくる。 「♪〜瀬戸は日暮れて 夕波小波 あなたの島へ お嫁に行くの 若いと誰もが 心配するけれど 愛があるから だいじょうぶなの だんだん畑と さよならするのよ 幼い弟 行くなと泣いた 男だったら 泣いたりせずに 父さん母さん だいじにしてね〜♪」
これは山上路夫作詞、平尾昌晃作曲の「瀬戸の花嫁」である。歌っているのは小柳ルミ子。あどけない仕草と抜群の歌唱力で、日本国中を一声風靡した。歌詞を通して穏やかな瀬戸内海の島々が、目に浮かんでくる。そして花嫁がこれまで育ってきた家族と別れ、不安の中にもそれ以上の希望と喜びを持って、船出していく気持ちが伝わってくる。 「瀬戸内しまなみ海道」を渡ったのはこれで2度目であった。ここは1999(平成11)年5月に、本州と四国を結ぶ第三のルートとして開通している。広島県尾道市と愛媛県今治市の約60kmの距離に、美しく個性的な橋が10本架けられて、一本の道路で結ばれているのだ。正式名称は「西瀬戸内海自動車道」である。また各橋には自転車歩行者専用道路(総延長は約80km)が設置されている。全線を通じて、いつでもウォーキングやサイクリングを楽しむことが出来る、ユニークな道路でもあるのだ。
「♪〜岬まわるの 小さな船が 生まれた島が 遠くになるわ 入江の向うで 見送る人たちに 別れ告げたら 涙が出たわ 島から島へと 渡ってゆくのよ あなたとこれから 行きてく私 瀬戸は夕焼け 明日も晴れる 二人の門出 祝っているわ〜♪」
人間いつまでも希望に燃えて明るく生きて行きたいものだ。 撮影2007年夏 |