「♪〜 さくら さくら 弥生の空は 見渡すかぎり かすみか雲か においぞ出ずる いざや いざや見にゆかん さくら さくら 野山も里も 見わたすかぎり かすみか雲か 朝日ににほう さくら さくら 花ざかり」。 これは「さくら」の歌であり、子供の時よりよく聞いた曲である。
厳しかった冬も終わると麗かな春が到来する。その象徴が美しいサクラの開花であろう。サクラにも沢山の種類があるようだが、日本を代表するサクラは「ソメイヨシノ」であろう。江戸の染井村の造園師や、植木職人によって育てられた「吉野桜(ヤマザクラの意)」をとって「染井吉野」と命名される。 これはオオシマザクラとエドヒガンを、掛け合わせて作られた人工の品種である。最初の一本から挿し木や接ぎ木という方法で、全国各地津々浦々にまで普及して行ったのである。したがってソメイヨシノは、すべて同じ遺伝子を持ったサクラなのである。気候や土壌の環境が揃えば不思議なことに、同時期に一斉に開花するのはそのためである。一節によるとソメイヨシノの寿命は短く、最大60年と一般的に言われている。したがって人間の平均寿命より短いことになる。
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