◆心斎橋筋

 関西を代表する繁華街の一つが、大阪ミナミの「心斎橋筋」である。そごう、大丸の各百貨店や専門店などが軒を連ねている。広くて明るい通りにはアーケードが施され、昼も夜も人通りが途絶えることはない。心斎橋筋を中央に東西に走る宗右衛門町、御津寺筋、八幡町、周防町などには、飲食街が密集しており、さすが大阪は「くいだおれの街」であると感じた。

 心斎橋というから川に架かる橋だと思い込んでいたが、実際に行ってみると橋はあれども、下に川が流れていないのだ。しかしその昔には長堀川が流れていたそうだ。1622(元和8)年に長堀川を開削した時に架けられたもので、橋の名前は開削の一人・岡田心斎が由来となっている。

 当時の心斎橋は長さ35m、幅4mの木橋であった。しかし1964(昭和39)年に長堀川は埋められ、橋は不用となり撤去されてしまった。その後、住民の強い要望により石橋の一部が復元され、橋の欄干やガス灯が再び設置され現在に至っている。

 心斎橋筋はこれまで何度か歩いたことがある。ここをぶらりと歩くだけで、何故かウキウキとした気分にさせてくれるから不思議だ。中心街には江戸時代より続いている心斎橋筋呉服店松屋(現在の大丸)が、元気に営業している。創業290年というから驚きである。デパート内に入って「足立美術館展」を見学させて頂いた。島根県にある足立美術館には以前行ったことがあるので、親しみを持って横山大観の作品を観賞した。心斎橋筋とともにいつまでも繁栄を祈っている。

撮影2007年春