1904(明治37)年にサルバートル・ダリはスペインで生まれている。20世紀美術史上最大の奇才といわれた画家である。そのダリ展を初めて観賞したのは、高校2年生の課外授業の時であった。場所は京都市美術館であった。ダリの強烈な色彩と空想的な世界を今も鮮明に覚えている。 京都市美術館は大規模公立美術館として、東京都美術館に次いで1933(昭和8)年に設立されている。当時最大の美術展であった帝展をはじめ、特別展、市展等を開催。京都美術界の発展に大いに寄与した。戦後はアメリカの駐留軍に接収されたが、1952(昭和27)年に解除されてよりは、これまでの各種展覧会に加えて、国際的な文化交流が頻繁に開催されるようになった。 今回久しぶりに訪ねたのは「大エルミタージュ美術展」のオープニングに招待されたからである。エルミタージュ美術館は、ロシア・サンクトペテルブルクにある国立美術館のことで、その本館は美しい建築物である、ロマノフ朝時代の王宮が使用されている。「いま甦る巨匠たち400年の記憶・ヴェネッィア派からモネ、ゴーギャン、ルノワール、ピカソまで」との見出しにあるように、世界のトップアーティスト75人の作品が展示される。
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