◆大船植物園の梅

 「ひすいかずら」は宝石の翡翠の色をしている。花弁の形はユニークで、世界で一番美しい花といわれている。その美しき花園「神奈川県立フラワーセンター大船植物園」は鎌倉市にあった。鎌倉といえば日本史の一時期を築いた鎌倉時代(1185年〜1333年)150年間を思い出す。源平合戦で平氏に勝利した源頼朝は、征夷大将軍として初の武士による政治を鎌倉に開いた。全盛期には政治、軍事、外交、文化等、鎌倉幕府を中心に日本は動いていった。

 この近辺にある大船植物園を訪ねたのは、梅が咲き始めた春まだ浅い日であった。色とりどりの梅の花が、天を突くようなものから枝垂れ梅まで、種類は豊富であった。ここは1962(昭和37)年に神奈川県農業試験場の跡地に開設。既に大正時代からこの地で改良、育成されたシャクヤク、花菖蒲、牡丹、バラ等を中心として栽培、展示をしていた。

 園内には四季折々に美しい花が観賞できるように演出されている。特に寒い冬の季節には花は少なく、園内は殺風景になってしまう。しかし1992(平成4)年には開園30周年を記念して、ドーナツ型のユニークな観賞温室に建て替えている。そこには光りをたくさん取り入れられるよう設計されており、熱帯・亜熱帯の色鮮やかな美しい植物が、通年楽しめるようになっている。特にブーゲンビリア、ラン、ハイビスカス、スイレン等々。中に入っていると身も心も温かくなっていくように感じる。

 いつまでも花を愛し、花の美しさを季節で感じられるような人生でありたいと願っている。売店でピンクのシクラメンの鉢植えを買った。横浜に住む親友の素敵な奥様に贈るために。

撮影2007年春