戦争のために造られた建物が城である。敵の攻撃を想定して石垣は高く、大きな堀に水を満々と湛えている。そして迷路のような通路は、一度に大量の人が通れないように考えられている。そこには身を守るために、あらゆる防御策が集約されていた。 一方の目で見ると、城自体は威厳と誇りを持っており、城主の人間性から権力の象徴としての姿が現れている。そしてそこには建築美も兼ね備えているのだ。
岡山城を訪ねたのはこれで3度目であった。岡山市内の大都会にあって、そこは静かな環境の中にあった。城の北と東には、あえて旭川の大河の流れを変えて堀の役目を巡らせ、敵方の侵入を困難にしている。したがって南と西だけに防御を固めればいいのだ。素晴らしい立地条件を備えた要塞である。
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