東京都心より西へ約40km。そこには急激な発展を遂げている八王子市がある。神奈川県境に至る広い地域に54万人が暮らしている。近年は大学誘致に成功して、現在24大学11万人(留学生3500人)の学生が学んでおり、学園都市の顔も持っている。 JR,京王線八王子駅周辺では繁華街、オフィース街、住宅街が入り乱れて町を形成しており、私の目から見ればけっして美しい街とは言えない。道路事情も悪く、朝夕は車の洪水が続く。そんな町の分岐点に滔々と流れる「浅川」があった。そこに架かる大和田橋を歩いてみた。 江戸時代の昔には、夏の時期は飛び石伝いに歩いて渡り、冬には板橋を仮設して渡ったとのこと。今ではここは甲州街道を渡す重要な橋として、通行車両の数は大変なもので、周辺の大動脈となっている。1927(昭和2)年には八王子で最初の鉄筋コンクリート橋に建て替えられ、その後改修を繰り返して現在に至っている。長さ121m、幅12mの立派な橋である。戦時中の八王子空襲では、橋の下に避難した多くの人の命を救っている。その焼夷弾の跡は永久に忘れないためにも今も遺されている。
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