自然の美しさに恵まれた地形の日本。そこには四季折々の違った姿で私達に接してくれる。秋の紅葉の季節には、爽涼の青空をバックに、紅、黄、橙色に葉の色が見事に変化していく。これは昼夜の寒暖の差が多きことや、適度な湿度があることなど、様々な条件状況が必要となってくる。日本では山間部の渓流の近くで、特に美しい紅葉が多く見受けられる。 ここ京都府美山町の大野ダムは、こうした条件に符合する地域の一つであった。満々と水を張り詰めたダム湖には、生命の輝きを感じさせる。水はエネルギーの泉でもあるのだ。毎年大野ダム公園では、この季節「もみじ祭り」が開催されている。1961(昭和36)年に由良川を堰き止めたダムが完成したあと、順次周辺も整備されていった。周りの公園には美しい紅葉が見られ、近くに聳える山々も同時に紅葉した景観は、まさに見る人を魅了させる。 園内には青空市場もあり、近くの農家で採れた様々な新鮮野菜が直売されていた。主婦たちは美しい景色もそこそこに、少ない種類と少量しかない品物である店内を、時間をかけて見入っていた。旅先でその土地の恵みを購入するのも、楽しみの大きな一つなのである。 |