◆花の文化園

 都会育ちの私にとって田園風景を見ることは滅多にない。田んぼや畑に囲まれた豊かな自然のなかに「花の文化園」はあった。ここは大阪でも南に位置する河内長野市の郊外にあり、甲子園球場の3倍ほどもある美しい花園である。 入り口のゲートを潜ると、目の前にはエントランス広場が見える。そこは四季折々、色とりどりの見事な装飾花壇があった。美しく咲き誇ったたくさんの花々が、見学者を迎えてくれる。いきなりの歓迎で嬉しい限りであった。

 広い園内のほぼ中央にあるバラ園では、西洋風の庭園に噴水と小さな池を囲むようにして広がっていた。色とりどりのバラはよく見ると形も様々で、110種2300株もあるから迫力満点だ。見頃は5月中旬から6月にかけて、さらに秋の10月頃が最も美しい。梅雨の季節となるとやはりアジサイだ。ここには日本の在来種を中心に、約700株が大きな花を咲かせる。その他、梅園、野草園、水生花園もある。

 そして見所は何といってもピラミッド型をした大温室であろう。洋ラン、ベコニア、ハイビスカスをはじめ熱帯植物約480種5300株。さらに400種のサボテン類のある乾燥温室。1400株の高山植物がある冷温室。見応えのある植物園であった。このなかにいると時間の経つのを忘れてしまう。

 私は美しい花を見るのが好きだ。花にカメラを向けると、何かを語りかけてくるような気がしてくる。大きな花、小さな花、長く咲く花、短い命の花、多種多様千差万別である。みんなそれぞれに個性があり、精一杯咲かせるときが一番美しく輝いているように思う。

撮影2006年夏