◆富山・彫刻公園

  JR富山駅より南に走る道路を歩いていた。城址大通りと呼ばれる富山市のメインストリートだ。暫くすると左側に富山市役所があり、その横には「未来図」という題名の立派なブロンズ像の作品があった。子供たちの素直で明るい表情が、私にはたまらなく可愛く見えた。未来に大きく逞しく育って欲しいとの、願いがそこに込められているように思えた。素晴らしい作品についうっとりと見惚れてしまった。

 そして松川に架かる塩倉橋に差しかかって驚いた。この川沿いには何と、たくさんの様々なジャンルの彫刻が設置されていたのだ。少し歩くとここにも、そしてあそこにも個性的な作品が、次々と展示されているのを発見した。 これらは富山県ゆかりの彫刻家の作品ばかりを集めたものであり、「松川べり彫刻公園」と呼ばれる場所であったのだ。数えてみると28点の作品が展示されているようである。そしてよく見ると一点一点に作品名が書かれてあった。「二人」、「希望」、「薫風」、「春」、「地球と人間」、「めぐみ」他、屋根のない青空美術館は、見る人の心を打つ作品ばかりだ。

 下を流れる松川は、富山市の中心部を流れる川で、両岸にはソメイヨシノの桜が460本植えられている。それは「日本さくら名所100選」にも選ばれるほどの、さくらの美しい公園となっている。そして夏は新緑、秋は紅葉、冬は雪景色と、四季折々の美しさを楽しませてくれる。 私は芸術を愛する人とは、心豊かな人だと思う。そして尊敬もする。富山市民の人達にとって、心豊かな憩いの場所があることは、本当に羨ましく思えてきた。

撮影2005年春