谷底を隔てて山と山とを結ぶ吊り橋。カズラというこの辺り特有の地域性を巧みに利用した、秘境ならではの生活の知恵であろう。この橋が作られて1000年の歴史をさかのぼることが出来る。その間には平氏が源氏から逃れるために、いつでも橋を切り落とし、追っ手を食い止める戦略上のものでもあった。 橋を渡るにはあまりにも足元が不安定であった。隙間から谷底に流れる激流が目に入る。もしここで靴でも脱げようものなら下まで落ち、川に流されて二度と戻ってくることはないであろう。しかし身体がスポッとはまり落ちることは100%ありえない。恐る恐る渡っていく吊り橋は、不気味な揺れを感じる。年間30万人を越える観光客にとっては、そんな秘境ならではのスリリングな体験が魅力なのであろう。ちなみに私だけが渡らなかったことを付け加えておきます。その理由は? とても言えません。 撮影2006年秋
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