日本の城は実に美しい。特に大小さまざまな形の石を、見事に組み合わせて造られた石垣は、まるで幾何学模様に見えてくる。全国に残されている城の殆どは、今から300〜400年以上の時間が経過している。にもかかわらず厳然として崩れることもなく残されているのは、高度な土木建築技術の証明ではなかろうか。皇居(江戸城)をはじめ、名古屋城、大阪城、姫路城等、多くの城を見てきたが、時代を超えた偉大なる日本の宝は、今では世界の遺産となっている。 これらは織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の時代に、全国各地で戦いの象徴として競うように造られた。その一つに滋賀県長浜市の琵琶湖に面した「長浜城」がある。築城者は羽柴秀吉(後の豊臣秀吉)であった。もともと秀吉は織田信長が江北の浅井長政を滅ぼした功績により、小谷城に入城したが山城のため不便を極め、現在の長浜城を築くことになった。1575年のことである。 今年はNHK連続大河ドラマ「功名が辻」が、大変な人気を得ている。特に主人公の山内一豊(安土桃山時代の武将、江戸時代初期の大名)、そして妻まつ(千代、見性院)の名馬を買わせた「内助の功」の話は、後々までも語り継がれている。織田信長に仕え豊臣秀吉に付せられて、数々の軍功を挙げた一豊は2万石の「長浜城」の城主となっている。 |