世にカラオケが出始めた頃であった。カセットテープの音楽に合わせて、歌詞ペラを見ながらマイクで歌うのである。昭和50年前半。当時においては画期的な機械の出現に、スナックを始め、クラブ、居酒屋では大変な人気を博していた。オーケストラをバックに歌えるのである。上手に歌えば気分は最高、周りからも拍手がもらえた。まるで歌手になったような気分にさせてくれる。
私の好きな曲の一つに「琵琶湖周航の歌」がある。これは1918(大正6)年発表された京都大学ボート部の歌である。1963(昭和38)年頃、加藤登紀子が歌って再流行した。広々とした琵琶湖の美しさを、哀愁を込めて歌う曲であった。出だしのイントロの部分を聞いただけで、雄大な気持ちになってくるから、歌は不思議な力を持っている。
1, 我は湖の子 さすらいの 旅にしあれば しみじみと 昇る狭霧や さざなみの 滋賀の都よ いざさらば 2, 松は緑に 砂白き 雄松が里の 乙女子は 赤い椿の 森陰に はかない恋に 泣くとかや 3, 波の間に間に ただよえば 赤い泊まり火 なつかしみ ゆくえさざめぬ 波枕
今日は今津か 長浜か 〜♪ |