◆夢の関西国際空港

 人間の力とは何と偉大なものかと感心させられた。大阪湾の海の中に、巨大な島が誕生したのだ。1987(昭和62)年、日本なかんずく関西の夢を託して、待望の関西国際空港の工事は着工された。狭い日本に飛行場を造る余分な土地は全くない。コスト高を承知の上で、海上にスペースを求めなければならない事情があるのだ。そして1994(平成6)年9月4日の開港で夢は実現した。

 関空(関西国際空港)にはこれまで何度か利用させて頂いた。今回は見送りのため、神戸から関空へ自家用車で往復した。そこで愕然としたことがあった。交通費である。高速料金代がトータルで3800円、空港橋の通行料が1500円、駐車料金1750円、高いガソリン代を足すと合計1万円になってしまった。この一件を知ったとき、コストが高くついた空港だけに、諦めるしかないと自らに言い聞かせつつも、ここには気軽にこれる場所ではないと感じ取れた。

 出発ロビーで暫くたむろしていると、さすがに外国人が目に付く。いろいろな人種の人に出会い、待っている時間も飽きることはなかった。「May I have you attention,please.〜」(お客様に申し上げます。〜) 場内放送がしきりとアナウンスされる。航空会社の名前と共に、世界各地の地名が出てくる。それらを聞くだけで、胸は高鳴り心は躍る。行ってみたい!ロンドンにも、パリ、ローマ、そしてニューヨーク、サンフランシスコ、シドニー、モスクワ、カイロ、クアラルンプール等、上げれば切りがない。

 私はここにいるだけで夢は広がり、目を閉じれば世界を駆けめぐることが出来るのだ。この雰囲気がたまらなく大好きだ。交通費に関係なく、これからもこの場所に何度でも足を運びたい。

撮影2006年夏