ロダンの「考える人」はあまりにも有名な作品である。ユニークで面白いポーズがとても魅力的で、子供の時より知っていた。この人は何を考えているのであろうか。深刻な問題?それとも恋に破れた反省?いろいろと想像を巡らす。このように真面目に考えている姿には、たとえどんな大きな問題であっても、必ず解決できるものと思えてならない。ハッピーエンドの結末を期待している。
作者のオーギュスト・ロダン(1840〜1917)は、フランス・パリ警視庁に勤務する下級史員の子として生まれる。14歳で産業技術のデザインを教える学校に入学。その後、国立美術学校に2回受験するも、いずれも不合格となる。22歳の時に最愛の姉の死に直面するなか、絶望感から修道士を志す。そこで出会った神父により、彫刻家として生きる道を見出す。ベルギー、イタリアを旅する中で、ミケランジェロの彫刻に強く触発される。その後は力強い表現力と、大胆な造形性を発揮する。近代彫刻の祖として仰がれている。 |