◆サンヨー ソーラーアーク

 東海道新幹線に乗ると熱海付近にトンネルが集中しているものの、あとは素晴らしい車窓からのロケーションが楽しめる。なかでも富士山、琵琶湖をはじめ、大井川、天竜川、富士川等、数えればきりがないほど自然がいっぱいだ。そんな中で「おや?この建物は何だろう」と思えるのが、岐阜羽島駅付近の沿線添いにあった。

 それは大規模太陽光発電施設「ソーラーアーク」であった。全長315m、高さ37mの巨大な建物で4本の足で支えられていた。「箱船」をイメージする形で、まるで地上に浮かんでいるように見える。その中央には太陽電池科学館が設置されていた。見学し終わって感じたことは、私たち地球にとって太陽は無くてはならない存在であることだ。

 このソーラーアークのサイド面には、5046枚の太陽電池パネルが張られてあった。それは2000年に出力不足の太陽電池パネルで、社会問題となったものを回収再利用している。社内にあって品質管理は命である。二度とこのような失敗を起こしてはならないと、社を上げて意義を留めておられる。

 仏典に「変毒為薬(へんどくいやく)」とある。これは毒を変じて薬と為すと読む。たとえ失敗があったとしても、そこで二度と失敗しないよう反省し努力するならば、次への大きな成功に繋がり、失敗したことによる経験が生かされたことになる。「あのとき失敗があったからこそ、今の成功となったのだ」と言えるようであって頂きたい。

 私の家にはサンヨーの電気製品がたくさんある。テレビ、洗濯機、アイロンをはじめ、シェーバーに至るまでお世話になっている。サンヨーがなければ毎日の生活は出来ないのだ。

撮影2006年夏