嵐山全体がまるで燃えているように見えた。11月末に見た赤や黄色の紅葉は、山一面を覆いつくしており、この秋一番の見頃であった。20年も前に見た感動が今も忘れられない。日本の四季は実に美しい。なかでも自然の移り変わりがはっきりしている京都はその代表である。四季折々の美しさを、最高の表現でわれわれを楽しませてくれる。 これまで京都には何度も訪ねている。取り分け嵐山は私の好きなスポットの一つだ。というのもこの近くに、落着いた佇まいと美しい庭園を持つ「湯どう屋」がある。私は京都を象徴するかのような、この雰囲気が好きでよく家族、友人を誘ったものだ。
その途中に「渡月橋」はあった。平安時代の初期836年に空海の弟子・道昌が架橋したものといわれている。また渡月橋の名前の由来は、亀山上皇が雲のない夜空に、月がさながら橋を渡るような様子を見て「くまなき月のわたるに似る」と、感想を漏らしたことによるものとされている。
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