都立、府立、県立、市立、町立、村立等の行政が存在するが、その中で国立ともなれば最高のレベルであり、権威あるものと思われる。国立大学、国立病院、国立劇場、国立競技場等がそれだ。独立行政法人「国立博物館」は、全国で東京・京都・奈良・九州の４ヶ所に設置されている。これらは貴重な国民的財産である文化財を、良質な状態で継承していくことを目的としている。

　京都国立博物館を訪ねたのは、今回で何回目であろうか。たしか「雪舟」を見学したことを記憶している。ここは１８９７（明治３０）年に開設。フランス・ドリック様式のレンガ造りの重厚な洋館で、さすが国立だけあって見事な建物であった。この日は大絵巻展が開催されていた。しかし最後の日曜日の午後ともなると、９０分待ちの長蛇の列となりなかなか進まない。博物館に着くまでの車の中では、国宝「源氏物語絵巻」、「鳥獣戯画」が目に浮かんでくる。というのも学校の教科書で、何度も見たことのある有名な作品であったからだ。