「♪〜 月はおぼろに東山 霞む夜毎の篝火に 夢もいざよう紅ざくら しのぶ思いを振袖に 祇園恋しや だらりの帯よ 夏は河原の夕涼み 白い襟足ぼんぼりに
かくす涙の口紅も 燃えて身を焼く大文字 祇園恋しや だらりの帯よ 〜♪」 祇園と聞くとすぐにこの歌が浮かんでくる。実に日本情緒溢れる優雅な曲である。歌っているのは藤本二三吉であり、往年の日本を代表する大スターであった。その娘・藤本二三代も全国に名を馳せた歌手で、「東京の空の下で」、「恋のマーブル通り」ほか、NHK紅白に4回も出場している。昭和30年代に大活躍している。その彼女とはこれまで何度も交流があり、親しくさせて頂いた思い出がある。
京都・祇園の町をゆっくり歩くのは初めてのような気がする。ひょっとして舞妓さん、芸妓さんに会えるかも知れない期待感を持っていた。後で聞いた話だが、昼間に出会うことはまずないとのことだ。木造の古都・京都の香りが漂う、黒っぽい二階建ての建物が続いていた。所々に細い通路が奥まで続き、突き当りが正面玄関であったりする。独特の町並みである。
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