◆浜寺公園の松

 松林が美しい海水浴場だというイメージを、子供の頃から持っていた。大阪の「浜寺公園」と聞くと関西では知らない人はいない。それほど昔から有名であった。ここは大阪で最も古い公園の一つで、1873(明治6)年からの歴史を誇っている。

 現在は大阪府営の管理下にあり、面積は48万4200平方メートルで、東京ドームの約10倍もある広大な公園である。ここの名物は何と言っても松であろう。5,500本もある松林は1本1本に風格があり、幹の太さ、そして枝振りの良さは実に見事なものである。ここの松は「日本の名松100選」にも選ばれている。

 日本三大松原とは福井県敦賀の「気比の松原」、佐賀県唐津の「虹の松原」、そして静岡県静岡の「三保の松原」に代表されるように、美しい海岸線と松林は見事にマッチしているように思える。全国各地にはこのような松林が沢山あることであろう。私の知っている松林も殆どが海岸線にあり、防風林・防砂林として重要な役目があるようだ。

 浜寺公園にはこれらの松林のほか、ばら庭園、交通遊園、プール、野球場、サッカー場、テニス、アーチェリー場、漕艇場もあり、地域の憩いの場となっている。私が訪ねたのは桜が開花したばかりの時であった。満開の花見を待ちきれない人達が、弁当や飲み物持参で賑やかに春を楽しんでいた。この光景は今も昔も同じであるようだ。

撮影2006年春