◆ぶらり福井駅前

 うたた寝とは実に気持ちのよいものだ。それは大阪から福井に向かう電車の中であった。急に車窓が眩しくなって目を開けてみると、そこは一面の銀世界であった。久々に見る雪国は美しかった。

 北陸本線福井駅に降り立ち周辺を一望した。ここは北国の都会であった。駅周辺の雪はきれいに整備され、道路脇に高く積み上げられていた。すぐ近くにある福井城の堀は一面氷に覆われていた。人が歩いて渡れるのでは、と思えるぐらい銀色に輝いていた。

 昼食は「おろしそば」と「ソースカツ丼」のセットを注文した。いずれも福井を代表する名物である。「おろしそば」は少々腰があり、さっぱり感のあるダイエット食。一方「ソースカツ丼」は薄い牛肉を、やや大きめにカツにして揚げてあるのだが、少々油濃い感じがした。しかし旅先で珍しいものにありつけて満足の私であった。このお店がある所はガレリア元町商店街の中にあり、アーケイドの柱にはポスターの様なものが掛けられていた。よく見ると福井に纏わる歴史上の人物とか、町の歴史が紹介されていた。観光客をはじめ、地元の人達にとっても大きなアピールであり、グッドアイディアだと思えた。

 現在の福井市の基礎を造ったのは柴田勝家であった。織田信長の北陸統括の拠点として北の庄城を築城。信長の妹・お市の方と結婚するが、秀吉に攻略されて滅んでしまう。駅から徒歩で10分足らずの所に北の庄城跡はあった。そこには柴田勝家の勇ましい像があり、今日の福井市大発展を見守るかのよう感じられた。

撮影2006年 冬