◆恐竜と出会った  

 人間はいつから生息しているのであろうか。そして恐竜の歴史はいつ頃なのか。更にこの地球が誕生して何年になるのか。いずれも気の遠くなるほど大昔の話なのだ。人間の寿命は飛躍的に延びて、人生80年と言われる今の時代である。しかしこれらの太古の歴史から見れば、それはほんの一瞬の出来事でしかないようだ。

  地球の歴史の分け方の一つに「中生代」という時代があった。恐竜はこの時代に生きていた。この地質年代は先カンブリア時代、古生代、中生代、新生代に大きくは四つに分けられる。問題の中生代はおよそ今から2億4800万年前から、6500万年前までである。 その古生代が福井県勝山市で発見された。福井県では1989(平成2)年より、恐竜の発掘調査が開始されている。その結果、フクイラプトルやフクイサウルスをはじめ、多くの恐竜の骨を採掘することに成功した。また発掘現場からは恐竜の卵の殻や、幼体の骨も発見されている。こうした状況から判断して、この地域に豊富な恐竜の群れが生活していたことが明らかとなった。

 福井県恐竜博物館を訪ねたのは、記録的な大雪が降ったあとであった。勝山市内の道路脇には、どこも高く雪が積み上げられていた。巨大な銀色のドームが遠くからでも確認できた。まるで恐竜の玉子のように見えた。そのなかに恐竜たちは1億年、2億年もの長い時間待っていてくれた。まるで映画「ジェラシックパーク」の世界にいるようであった。感動であった。

 国内最大の恐竜博物館は、素晴らしく近代的でセンスある建物であった。古代ロマンに思いを馳せ、今の自分の存在を考えさせてくれる大事な機会を与えてくれた。

撮影2006年 冬