中央には大きな池があり、その周りに松の自然林が囲っていた。小鳥は囀り、心地よい秋風が顔を撫でる。美しく変化した紅葉、大輪の菊花、コスモスの可愛い花と、紫のサルビアが群れを成して、風に嬉しそうに揺れていた。ここは兵庫県のほぼ中央に位置する、自然豊かな加西市にある「兵庫県フラワーセンター」である。 1976(昭和51)年4月に開園。全国でも有数の植物園として高い評価を得ている。46ヘクタールもの広大な敷地に、四季折々の美しい花がいつでもわれわれを迎えてくれる。まるで花園に囲まれたなかに、自分がいることにハット気が付かされることも。特に大きな温室のなかは、定温に保たれているため、長く見学していると汗ばんでくるほどだ。
華麗な球根ベコニアは大きく美しい花を咲かせ、温室いっぱいに咲き乱れていた。そして原色の色鮮やかな南国の花が、甘い香りを見る人に与えてくれている。園内には春ともなれば、15万本のチューリップが圧巻である。そして桜の淡い色とマッチして美の祭典である。夏には嬉しいことに夜空に1万球のイルミネーションが点灯され、納涼のビアガーデンと夕食が楽しめる。秋はなんといっても菊花展であろう。総合花壇、大輪の菊、盆栽等、丹精込めて作った作品が秋を楽しませてくれる。
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