ほのぼのとした心洗われる民話、昔話等、全国各地に今もたくさん残っている。古い歴史を誇るわが国には、それぞれの地域性が生かされた面白い物語が伝えられている。その多くは人間教育に大いに役立っている。常識、道徳、教訓、正邪、善悪、或いは優しさ、思いやりなどが素材となっている。それらの中の一つに、相手を騙して嘘をついてはいけないという民話がある。 それは鳥取市街より国道9号線を西に行くと、美しい海岸線の砂浜が続いていた。白兎海岸である。ここで「因幡の白うさぎ」の民話は生まれた。一匹の白うさぎが向こう岸に渡りたいばかりに、ワニザメを騙して利用しようとした。しかしもう少しで渡り終えるその時に嘘がばれてしまう。怒ったワニザメはうさぎを赤裸にしてしまった。そこへ多くの神が通りかかり、海水で洗えばよいと教えてくれるが、益々ひどくなるばかり。泣いているうさぎに真水で身を洗い、蒲の穂を付けるようにと救ってくれたのが大国主命であった。私が今思い出せるのはこの程度である。騙したり、嘘をついてはいけないとの教訓である。 テレビの番組で「まんが日本昔話」を見たことがある。「♪〜ぼうや、よい子だねんねしな〜♪」で始まるテーマソングがそれだ。子供は勿論のこと、大人が見ても面白い作品が多い。つい見惚れてしまう不思議な魅力を持っている。人それぞれ思い出に残る童話、民話があると思う。私が子供の頃、寝る前に布団の中で父から話を聞かせてくれた。そのなかで桃太郎さんの話が最も印象深く残っている。
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