晴れ渡った青空が湖面に映っていた。私は海、湖、池、川等の水の動きのある所が好きだ。それは生きている鼓動を感じるからである。久方ぶりに浜名湖を間じかに見ることができた。車窓からはいつも見ている湖だ。多い時は毎月のように神戸――東京間を新幹線で往復している。浜名湖は丁度その中間点に位置している。海から湖に通じるあたりは、まるで川のように流れていた。貝を取っているのであろうか。岸から随分離れた所であっても、人が立って仕事をしている姿を見かけることがある。浅瀬が続いていることが分かる。 浜名湖は周囲141kmもあり、日本で10番目の大きさになる。海と繋がっているため、遠州灘の海水が大量に流れ込んでくる。したがって汽水湖というより塩水湖なのである。しかし元々は淡水湖であった浜名湖だが、1498年の大地震により海と通じるようになってしまった。それ以来、淡水と海水が混ざり合うことになる。一つの湖であってもこのような特殊な条件・状況により、ここでは多彩な水産物が獲れる。したがって他には見られない独特の漁業が発展していった。
|