日本の歴史のなかで、最も大きな変化を遂げたのは明治時代の開幕であったと思う。鎌倉幕府以来約700年間にわたって続いた武家政治は、音を立てて崩れ落ち終焉を告げたのである。 「散切り頭(ちょんまげを切り落として刈り込んだ髪形)をたたいてみれば文明開化の音がする」と唄われたように、長い鎖国より目覚めた日本は、これまでの文化より西洋文化を理想とした。新橋――横浜間に鉄道が開通。学校制度、郵便制度、廃藩置県等々。生活様式から服装、髪形に至るまで大変革が遂げられた。
1868(明治元)年より138年の歳月が経過した。その間、日本は悲しい戦争の歴史も、世界に誇る大発展の歴史も経験した。現在人にとっては「明治は遠くなりにけり」と、懐かしい遥か昔の出来事となってしまった。
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