◆ 榛名富士と湖

 静かな湖面には美しい円錐型をした榛名富士が写っていた。富士山の形をした山は全国各地、世界各国でも見られる。地元の地名を取って、たくさんの富士山の仲間が存在する。穢土富士、近江富士、讃岐富士、薩摩富士等々。いずれも美しい様相をした山々である。

 榛名富士は標高1391m。山頂までは便利でユニークなロープウェー(スイス製・高低差300m、延長527m)が利用できる。山頂からの眺望は実に素晴らしい。眼下には美しい榛名湖(カルデラにある火口原湖)が眺める。遠くには赤城山、浅間山、草津白根山そして関東平野が大パノラマのごとく見渡せる。 ここは昭和15年に高峰三枝子が歌って大ヒットした、歌謡曲「湖畔の宿」の場所でもある。

 (作詞/佐藤惣之助 作曲/服部良一)

「♪〜 山の淋しい湖に  ひとり来たのも悲しい心 

 胸のいたみにたえかねて  昨日の夢と焚きすてる

  古い手紙のうすけむり  〜♪」

 

 この曲を聴くと懐かしく思われる方が、たくさんおられることだろう。「もう何千回と歌ってきた曲ですが、今でも二番と三番の間にはいるセリフのところにくると、胸がジーンとなって涙が溢れそうになるんです」(高峰三枝子さん)。 春は桜にツツジ、夏は遊覧船にボート遊び、秋は紅葉、冬は氷結した湖上でスケートに穴釣り。ここは素晴らしいリゾート地なのだ。近くには伊香保温泉もあり、ゆっくりここで読書と執筆に没頭してみたいものだ。夢がある人生は楽しいのだ。

撮影2005年 秋