人間のルーツを探ってみたり、古代社会の歴史に思いを馳せるのも楽しみの一つだ。全国各地で遺跡が発見されている。そこから発掘される様々な品から当時の社会、文化、生活が想像できる。ふとタイムトンネルに乗り、当時の時代に降りてみたいと、子供ならずとも大人であっても思いを馳せるに違いない。それが古代の都「奈良」でないかと思う。 1300年ほど前に実在した奈良の平城京。高度な文化・社会であったことが、様々な資料で窺い知れる。平城京の正門「朱雀門」が1997(平成9)年に見事に復元された。実に立派なゲートである。しかし復元にあたっては、当然ながら当時に写真があるわけでもなく、設計図も一切残されていない。しかし柱の間隔や、溝の跡等、現在科学技術を駆使した発掘調査が進められた。そして現存する奈良時代の建物を参考に、推理・検討の結果ほぼ忠実な建物に完成されたのだ。 奈良の中心街より車で10分ほど西に走らせると、いままでビルや建物が密集いていた所より、全く何もない平坦な土地が広がっている。そこは元明天皇が藤原京から平城京に遷都した場所であった。710年のことである。そして桓武天皇が長岡京に遷都する74年間が奈良時代となる。平城京の入り口である羅生門をくぐると、75mもの幅を持つ朱雀大路が北にのびる実に広い通りなのだ。その4km先に平城京の正門ある朱雀門があったのだ。 天皇が、外国の使節が、そして地元の人々。どのような物を食べていたのであろうか。どんな話をしていたのか。その時代の流行は何であったのか。生活はどのようなものであったのか。興味は尽きない。しかし少なくとも今より、心豊かな人間の生き方であったに違いない。 撮影2005年 夏
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