活字文化がここに来て変化している。危機といっていいかも知れない。映画、テレビ、ビデオ、BVD、そしてパソコン等、読むというよりは見る方が優先される時代となった。最近電車通勤をするようになった私は、車内では新聞をはじめ、雑誌、書物を読んでいる人が以前と比べて、めっきり少なくなったことを感じている。若者のほとんどがイヤホーンを耳にあて音楽を聴いている。 私は近くの図書館に通い始めて5年以上になる。月に15冊はお借りしている。単純に計算しても900冊はゆうに超えている。その他新聞、雑誌、グラビア等は自宅に。更に新刊本は書店で買い求めている。私の枕元には絶えず沢山の書物が置かれている。毎日欠かさず寝る前に本を読む。これは習慣になってしまった。しかしおおかたは5〜10分でイビキを掻いて寝てしまう。つまり睡眠薬のような役割を兼ねているのだ。たまに1時間2時間と真剣に読み書きすることもあるが。 石川県・金沢市を訪れ、石川近代文学館の前に立った。見るからに素晴らしい建物であった。赤レンガ造りで均整の取れた左右対称の洋館は1891(明治24)年に完成。旧制第四高等中学校の本館であったものを再利用しており、国の重要文化財にも指定されている。展示には石川県ゆかりの文学者達の著書、原稿、愛用品などがある。
活字文化は人間にとって重要な歴史であり、貴重な財産でもある。活字により人間は偉大なる発展を成し遂げた。映像、写真等での見ることの素晴らしさもは決して否定するものではない。私も大好きだ。しかし読むこと書くことの重要性は永遠に消してはならない。それはこれまで人類が創った最高の傑作なのだから。 撮影2005年 春
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