池を見ると一面に真っ白な睡蓮が咲いていた。そしてバラ園では美しさの峠は少々過ぎたものの、バラがこんなにも沢山の種類があったのかと驚かされた。まるでヨーロッパによくある西洋庭園をイメージさせてくれる。そして驚くほどの立派な大木があちこちで見られ、歴史の古さと落ち着きを感じさせてくれた。実に広大な園内であった。 ここは日本一の歓楽街と言われる新宿に面した「新宿御苑」である。新宿は24時間休むことのない街。朝の3時であっても、輝くネオンのなかに人通りの賑やかさは絶えることはない。その環境のあまりにも大きなギャップに驚きは禁じえない。園内に入れば都会独特の騒音は全く聞こえない。小鳥の囀りが一層静けさを強調させてくれる。静かだ。本当に静かだ。まるで別世界にいるような錯覚さえ覚える。 新宿御苑のルーツは古く、1590年徳川家康が江戸城に入城した際に、家臣であった内藤清成の江戸屋敷の一部となる。その後、皇室の庭園から、1949(昭和24)年に一般公開をされた。その間、観桜会、観菊会の会場として定着するなど、ゴルフコースにも利用されたこともあった。
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