日本の首都・東京には、世界各国よりたくさんの人が集まってきている。特にここ20〜30年前から急速に増えている。国内にあっても東京を目指す人は後を絶たない。1200万人という数が示すように、人が集まるところには必ず経済効果が生まれるものなのだ。 地方のいわゆる田舎といわれるような場所では、生きていくだけでも大変な時代があった。今から50年以上も前のことである。仕事がないため仕方なしに親元を離れて都会に出て行った。中学・高校を卒業した「集団就職」である。特に東北・信越からの人達は、団体列車に揺られて着いた先が、東京の玄関となる「上野駅」であった。 不安をいっぱい抱え僅かな希望に夢を託して、「上野駅」から各々の目的地に別れ別れに出発していった。東京での仕事・生活は決して楽なものではなかったに違いない。住み慣れたこれまでの自宅とは勝手が違う。住み込み、寮は厳しいものがあった。成功するよりも、失敗して挫折する人の方が遥かに多かった。負けて逃げて帰っても仕事もなく生きていけない。ここで頑張る以外にないのだ。何人もの友人からその心境を聞かされた。背水の陣である。「上野駅」に来ると人生の原点のような気がするとか。しかし今では東北・信越新幹線が開通し、在来線の上野駅は昔のイメージはない。
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