そこは静かな森と美しい日本庭園であった。金閣寺より道を間違えて、閑静な高級住宅地の中に迷い込んでしまった。ユーターンしようと思って入ったところが、実に素晴らしい場所であった。車を降りて歩いてみた。それが縁でその後も何回か訪ねることになったが、私にとって心落ち着く素敵な隠れ家屋のように思っている。そこは京都洛北に在り「しょうざん」と呼ばれていた。 庭に入ってみれば鬱蒼と茂った木々のなかに、よく手入れされた草花。そして川には清流の声が聞こえてくる。小鳥も楽しそうに歌っている。小川には滝もある。ここは四季折々の美しい日本庭園の姿を見せてくれるのだ。日常味わえない森林浴のような新鮮な空気を、ここでは胸いっぱいに吸い込める。そしてここに入ると、ゆったりとした時間が過ぎていくように思えてくるから不思議だ。
|