甲府の大地を見下ろすかのように、ドーンと腰掛けて指揮を執る武田信玄の勇壮な姿があった。山梨県の中心地・JR甲府駅前広場の像がそれである。右手に軍配を持って戦いの指揮を執り、左手には数珠を持って仏心を現しているかのように私には見えた。それは男が命を懸けで生きている姿であった。 私の好きな歌の一つに「武田節」がある。これまで何度も歌ったことがある、懐かしい思い出の曲である。 「♪〜甲斐の山々 陽に映えて われ出陣に うれいなし
おのおの馬は 飼いたるや 妻子(つまこ)につつが あらざるや あらざるや〜」 更に「風林火山」の詩吟が素晴らしい。
疾如風 (はやきこと かぜのごとく) 徐如林 (しずかなること はやしのごとく) 侵掠如火 (しんりゃくすること ひのごとく) 不動如山 (うごかざること やまのごとし) このなかで私が最も好きなところは「人は石垣 人は城」の一節である。信玄は自らの力を誇るための大きな城を建てようとはしなかった。わが軍の人間がそのまま石垣であり、城であるとの、強固な団結の「人間城」を築き上げた。日本の歴史に残る素晴らしい武将であり、政治家でもあった。
甲府には親友・知り合いがおり、これまで何度か訪ねたことがある。私の結婚式にはお祝いとして、高価な石で刻まれた「印鑑」を頂いた。それは今も大切に使っており、私の宝となっている。彼は印章・宝石店を営んでいた。甲府は宝石の街でも有名だ。その他,ぶどう、ワインも特産品である。 武田信玄の故郷・甲府盆地は「人と自然に優しさあふれるまち」として、確かなる発展をしている。丘の上に立って甲府市内を見ていると、信玄の戦国時代の香りが漂ってきた。 撮影2005年 春
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