私も祝福の気持ちでいっぱいだった。光栄にも式に招待を受けた。彼からカメラを撮ってほしいと依頼された。当日は素晴らしい会場での結婚式であった。カメラマンは私一人。36枚撮りのフィルムを2本ポケットに入れ、カメラに入っている残りのフィルムから写せば充分だと判断。新郎・新婦の喜びの姿を夢中で撮り続けた。司会からお開きの挨拶。シャッターを押し続けてフィルムを巻く時、いやに軽いなーとは思ったが後の祭り。顔面蒼白になるのが分かった。カメラにはフィルムが入っていなかったのだ。慌ててフィルムを入れ、解散になったロビーでの2人を5〜6枚撮った。本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだ。わが人生最低の大失敗であった。 今思い出しても冷や汗が出てくる。その彼が現在東京で幸せな家庭を築かれていることを知り、私としては嬉しい限りだ。そのご夫婦から「阪神淡路大震災」で被害を受けた私に、いち早く真心からのお見舞いの手紙と、心温まる生活用品を届けてくれた。ありがとう。本当にありがとう!そしてあの時の大失敗を許して下さい。 撮影2005年 春
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