あれは何だろう?大阪湾に一目で異質と分かる舟がゆっくりと航行していた。ヨーロッパ風の歴史を感ずる帆船であった。それはサンタマリア号だと教えてくれた。コロンブスがアメリカ大陸を発見した時に使われた船で、当時の2倍の大きさで復元された観光船だ。 クリストファー・コロンブス(1451〜1506)はイタリアのジェノバに生まれた船員。コロンブスの頭の中には、これまで東回りであった航路を、反対の西回りで行けば必ずマルコポーロの「東方見聞録」にある、インドや日本の宝庫(金、絹、香辛料等)に到達出来ると信じていた。彼はこの計画をスペインのイザベル女王の賛同を得ることに成功。3隻の舟を率いて大航海の旅へと出発した。その旗艦となったのがサンタマリア号であった。時に1492年のことである。 その結果は「アメリカ新大陸の発見」となったのだが、彼は発見した場所はインドだと最後まで信じていた。したがって先住民をインデアン、インディオと呼ぶようになった。しかし植民地経営の失敗等で苦難の末、栄光の冒険家としての人生とは裏腹に、最後には誰からも忘れられた人間として、わびしくこの世を去っている。 |