中央市場の朝は早い。夜中の3時頃から人は集まり、5時頃には競りの声が飛び交う。活気あふれるムードでいっぱいになる。人の動きも一刻を競う時間との戦い。そこはまるで男の戦場なのだ。ここは東京の台所を預かる、プロの商売人を相手に売り買いする「築地中央卸売市場」である。 私も何度か訪ねたことがある。場外市場では屋台のようなお店が並び、その内の一軒のそば屋に入った。そこは天ぷらをトッピングして食べさせてくれる嬉しいお店であった。更にすし屋にも入った。場所柄ネタが新しいというイメージがあるためか、本当に美味しく頂けた。しかし昼ごはんにしては、いつもより少々高めとなってしまった。家が近ければあれも買いたい、これも食べたいと思ってしまう。ニシンにホッケ、ホヤに珍味の数々。私が好きな食べ物が沢山揃っている。日本各地より特産物が集まってくる。ここは日本一の築地市場なのだ。 安定した供給が出来ればいいが、時として異常気象により大きな災害を受けることがある。日本では収穫の秋を前にして、台風が一番恐ろしい季節である。更に梅雨の長雨で崖崩れ、川の氾濫等がある。昨年の2004(平成16)年は特にひどかった。8回も台風の本土上陸。その結果は野菜の高騰に現れた。キャベツに白菜、ネギに至るまで100円のものが500円に上昇した。 更にひどかったのは「BSE問題」での牛肉騒ぎ。鳥インフルエンザによる鶏・卵。商品表示のごまかし。いずれも消費者に大きな不安と不信を与えてしまった。しかし交通の発達、情報の発展により、日本は本来豊かな生活を送ることが出来る社会になっている。これからも「安全・安心・安定」の食品の供給をお願いしたい。そして「築地市場」がいつまでも元気であって頂きたい。 撮影2005年 春
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