隅田川と東京湾が合流する辺りに「浜離宮恩賜庭園」はあった。徳川将軍家の鷹狩場に、四代将軍家綱の弟で甲府宰相の松平綱重が、ここに初めて海を埋め立てて甲府浜屋敷と呼ばれる別邸を建てる。その後、綱重の子・綱豊(家宣)が六代将軍になったことを契機に、この屋敷は将軍家のものとなり「浜御殿」と名称も改められる。 この庭園には見事な「松」が沢山ある。なかには「三百年の松」というのもあり、六代将軍家宣が庭園大改修した際、その偉業を称えて植えられた松。太い枝が低く張り出し、今もなお堂々たる姿を誇っている。その他にも盆栽をそのまま大きくしたものから、美しく育てられた松の姿は多彩であった。そういえば最も近くにある山手線の駅名は「浜松町」。「浜」離宮の「松」から来ているのかも。 明治に入ってから名称も「浜離宮」となり、やがて関東大震災、戦災を受け大きな被害を出す。戦後は東京都に下賜される。その後整備をして1946(昭和21)年4月から一般公開されている。国の特別名勝並びに特別史跡に指定されている。 |