◆神戸ワイン城

 「株式会社 神戸市」とまで言われた良き時代があった。行政主導で様々な事業に手を出した。それらはことごとく成功し、大きな成果を挙げた。まさに飛ぶ鳥を落とす勢いであった。そんな中で「神戸ワイン」、「神戸ウォーター」を製造販売するという。そのために農業公園として見渡す限りのブドウ畑が、そしてワイン城が造られ、莫大な費用が投入された。地域、市民の憩いの場として多くの人から愛され、気軽なレジャー施設として利用された。

 現在日本では、一番多く飲まれているお酒はビール。その次に焼酎が伸びてきている。そして日本酒、更にはワインと続く。時代は絶えず変化している。

 ワインについては、正直言ってあまり飲む機会がなかった。結婚式、パーティ、それに料理によってワインが似合う時などである。私にとってあまり日常性はないのだ。東京で酒類問屋をしている私の大好きな信頼する先輩がいる。その人は普段はサッポロビールしか飲まないが、ワインのスペシャリストでもある。時にワイン談義になるが、私には話が続かない。「リースリングの香り高く、甘みを抑え、上品にまとまったワインです。すっきりとしたコクのある味わい」等、説明されても全く理解できないのだ。

 あるホテルでの客が格好つけてボーイに、「このホテルで一番のワインをもってこい」と頼んだ。あまりワインを理解しているようには見えない。支払いの時に請求された金額は何とワイン1本45万円。青くなってしまった嘘のような本当の話。少々値段の面では不安はあるが、ワインをもっと味わいながら理解したいと思っている。ヨーロッパの人があそこまでワインを愛しているその理由を知りたい。そして赤ワインが「成人病に効果」があるとマスコミで取り上げられている。そこが気になるとこだ。

撮影2005年 冬