◆ 梅田スカイビルは凱旋門

 あれは何だろう?大阪駅の梅田付近に行った時、これまで見たことのない新しいビルが建っていた。それは何ともユニークなビルで、興味は尽きない。近づいて見てみると世界に類を見ない高度な建築技術と、美しさを追求したロマン溢れる「連結超高層ビル」であった。

  今から7年ほど前のことであった。4人も娘がいる3番目をドイツに留学させたかった。ドイツにいる私の親友からも、是非預かりたいと協力してくれた。場所はジュッセルドルフから2時間ほど離れた静かな町であった。そこに「アンネ フランク学校」があり、幸いなことに入学許可を頂いたのだ。それは「アンネの日記」で有名な彼女の名前だとすぐに理解できた。

  第二次世界大戦中にナチスドイツはユダヤ人を迫害。アンネは家族と共に2年間、隠れ家で暮らした時に書いた日記。それは激しい迫害と人種差別にも負けないで、人を愛し、生きる希望を持ち続けた内容であった。しかしアンネはナチス強制収用所で15歳の短い生涯を終える。収容所が解放される僅か1ヶ月前のことであった。

 留学に必要な全ての書類を整えて、ドイツ総領事館に行った所が、ここ「梅田スカイビル」内にあったのだ。当時中学2年生であった娘は、結果的に留学許可は下りなかった。残念でならなかった。

 このビルはパリの凱旋門に似ている。二つのビルを最上階で積み木のように積み上げ、天井には丸い穴が開いている。高さ40階建ての172m。大阪・阪神間を一望できる位置にあり、屋上から全てを見下ろせる眺めは最高。まるでドイツに勝ったパリの凱旋門の上にいるようである。

 撮影2005年 冬