まるで世界中の国が一同にして、大阪の会場に集った感じであった。それは居ながらにして、世界旅行が楽しめるような思いであった。「日本万国博覧会 EXPO‘70」はアジア初の開催となった。期間は1970(昭和45)年3月15日より183日間。場所は大阪府吹田市千里。観客数は約6200万人(うち外国人170万人)で博覧会史上最高。未だその記録は破られていない。 私も二度見学させて頂いた。事前にガイドブックを何度も読んで勉強し、見たいコースを調べたりしたことを思い出す。当時はなんといっても一番の注目は、アメリカ館の「月の石」であった。それは前年7月にアポロ11号が持ち帰ったものであった。長蛇の列であったが、これだけは何としても見ておきたかった。化学文明の発展は我々人類を月まで行って、無事に帰ってこれるようになった。アポロから月面に降り立った瞬間をテレビで見た。誰もが感動し喜んだに違いない。それはアメリカとか何処の国が遣って退けたというのでなく、人類として共有できる喜びであったように思う。
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